2009年10月27日(火)16:38

EUはチェコの憲法裁判所の判断を注視

プラハ(AP)

チェコの憲法裁判所はEU改革リスボン条約の憲法判断を来週に延期した。審査は11月3日に継続されると裁判官は火曜日に発表した。チェコはEU加盟27ヶ国中、EU機構改革の基盤となるリスボン条約を批准していない唯一の国である。条約は決定プロセスの簡素化やEU常任議長(大統領)の創設などの機構改革を定めている。

ブルノのチェコ憲法裁判所の裁判官は火曜日、上院議員のグループによる違憲提訴についての審査を開始した。しかし提訴者の代表が他の文書を提出したため、審査はほどなく中断された。憲法裁判所のパヴェル・リチェツキー裁判長はこの行動を司法の妨害と批判した。「私たちはヨーロッパ中が待っていることを知っている」とリチェツキー裁判長はチェコのラジオで述べた。

憲法裁判所のトマシュ・ランガゼク事務局長は、憲法判断はおそらく来週下されるだろうと語った。外交筋によれば、11月中旬に臨時EU首脳会議を開く可能性があり、今週中のEU首脳人事の決定はありえないという。

EU諸機構への広範な権限移譲が批判の対象

提訴した上院議員グループは、リスボン条約がチェコ共和国の憲法に違反すると主張している。チェコの議会はすでに下院、上院とも条約を批准しているが、ヴァーツラフ・クラウス大統領は憲法裁判所の判断を待って批准文書への署名を行うか否か決める意向である。憲法裁判所はすでに昨年、同様の違憲提訴を退けている。

クラウス大統領の署名を得てリスボン条約ははじめて発効に至る。条約は2004年以降急激に拡大した共同体にEUの諸機構を適合せるためのものである。しかしクラウス大統領はリスボン条約の名だたる批判者であり、条約によってEU諸機構にあまりに大きな権限が移譲されてしまうと主張している。また、ズデーテンドイツ人が欧州基本権憲章を楯に、チェコ領に残されたかつての財産の所有権を主張するのではないかとの懸念もある。

原題:Europa blickt auf Verfassungsrichter in Bruenn




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